大谷翔平選手 右ひじ手術へ 投手復帰まで1年以上の見通し





大リーグで投打の二刀流でプレーしてきたエンジェルスの大谷翔平選手が、今シーズン終了後、右ひじのじん帯を修復する手術を受けることになりました。大谷選手がピッチャーとして復帰するのは再來年以降となる一方で、バッターとしては來シーズンもプレーできる見通しです。

これはエンジェルスが25日に発表しました。大谷選手は右ひじのじん帯を修復する手術を受けるように醫師から勧められ、どのような治療方法を選ぶか註目されていましたが、最終的に手術を受けることを決斷しました。球団によりますと、大谷選手は今月30日のレギュラーシーズンの終了後、最初の1週間のうちにトミー・ジョン手術と呼ばれるひじのじん帯を修復する手術をロサンゼルスで受ける予定で、この手術を受けるとピッチャーとして復帰するには1年以上かかる見通しです。この発表のあと取材に応じたエンジェルスのマイク・ソーシア監督は、大谷選手は來シーズン、ピッチャーとしてプレーすることはないと話したうえで「ピッチングができるようになる前に、バッティングはできるようになる」と述べ、來シーズンはバッターとしてのみプレーする見通しを示しました。そのうえで「投打で優れたプレーをしてきたので、投げられなくなったことで喪失感はあると思うが、それでも今シーズンバッターとして集中し、プレーしているのはすごいことだ」と話しました。大谷選手はことし6月に、右ひじのじん帯を損傷していることがわかり、治療とリハビリを経て今月2日のアストロズ戦でおよそ3か月ぶりにピッチャーとして試合に復帰しました。しかし、この登板のあと右ひじに張りが殘っていたため5日に検査を受けた結果、じん帯に新たな損傷が見つかり、醫師から手術を勧められていました。大谷選手はこれまで、「野球の神様」と呼ばれ投打で活躍したこともあるベーブ・ルースと重ね合わせてアメリカでも報導され、大リーグの新たな歴史を作るか註目されてきましたが、二刀流での活躍は再來年以降までいったん持ち越されることになりました。

トミー・ジョン手術とは

ひじのじん帯の修復をはかる代表的な手術として知られるのが「トミー・ジョン手術」です。1974年にドジャースのチームドクターだった故フランク・ジョーブ博士が初めて成功させ、このとき手術を受けたピッチャーの名前をとって「トミー・ジョン手術」と呼ばれるようになりました。この手術では斷裂したり損傷したりしたひじのじん帯を切除し、體のほかの部分から取ったけんを移植して修復をはかります。手術を受けたピッチャーは地道なリハビリが必要で、多くの場合、試合で投げられるまで1年以上かかっています。大リーグの日本選手では、レッドソックスでプレーした松坂大輔投手が2011年6月に手術を受けて、大リーグの試合に復帰したのは翌年の6月でした。現在、カブスに所屬するダルビッシュ有投手はレンジャーズでプレーしていた2015年の3月に手術を受け、復帰は翌年の5月でした。一方、手術のあと、バッティングの練習にはピッチングより早く取り組めることから、バッターとしては先に復帰できるとみる醫師もいます。

手術後も活躍した投手

「トミー・ジョン手術」を受けたあとも活躍を続けたピッチャーは、日米とも數多くいます。このうち、1974年に野球界で初めてこの手術を受け、自分の名前が手術名についたトミー・ジョン投手は、ドジャースやヤンキースなどで活躍した左ピッチャーです。大リーグ通算288勝をあげ、このうち、手術後に勝利數の半數を超える164勝をマークし、46歳までプレーを続けた息の長い投手として知られています。また、ブレーブスで先発・抑えと大車輪の活躍をみせ、90年代にチームの黃金期を支えたジョン・スモルツ投手は手術から復帰後、最多セーブに1回、最多勝に2回輝く活躍をみせて、通算213勝154セーブをマークし、トミー・ジョン手術から復活して初めて野球殿堂に選ばれたピッチャーとなりました。また、日本のプロ野球では「マサカリ投法」で知られる元ロッテの村田兆治投手が、手術後、2年間のリハビリをへて1985年に復帰し、ほかのピッチャーより間隔をあけた中6日で日曜日に登板することから「サンデー兆治」と呼ばれ、17勝5敗の成績でカムバック賞を獲得。1990年を最後に引退するまで通算215勝まで白星を積み重ねました。また、ヤクルトなどで活躍した荒木大輔投手は、2回のけんの移植手術をへて、ほぼ4年間のブランクののちに92年のシーズン終盤に復帰し、チームの14年ぶりのリーグ優勝と翌年の日本一に貢獻しました。元巨人の桑田真澄投手は、1995年、ダイビングキャッチを試みた際に右ひじのじん帯を斷裂し、手術後、2年近いリハビリ期間中に2軍球場で黙々とランニングを続けた結果、走った後の芝がはげて道のようになり、「桑田ロード」とも呼ばれました。東京ドームのマウンドにひざまずき、プレートに右ひじをつけた復帰登板の試合でのシーンは今も語りぐさとなっていて、10年間、巨人でプレーを続け、通算173勝をマークしています。このほか、現役投手ではソフトバンクの和田毅投手が大リーグ時代に手術を受け、帰國後に15勝をあげて最多勝に輝いたほか、阪神の藤川球児投手も同じように大リーグ時代に手術を受け、帰國後、今シーズンも含めて100試合以上に登板する活躍をみせています。

復帰までどの程度かかるのか

大谷選手がひじのじん帯の修復をはかる「トミー・ジョン手術」を受けた場合、復帰までどの程度の期間を必要とするのかをめぐって、アメリカのメディアは専門の醫師たちによるさまざな見解を伝えてきました。このうち、ロサンゼルス・タイムズは、エンジェルスやドジャースの元チームドクターの見解として、手術が成功し、選手として完全に復帰できるのは80から90%と高い率になっていると紹介したうえで、ピッチャーが復帰するまでは1年から1年半が必要で、守備についてボールを投げる野手の場合は半年から1年、指名打者の場合は早ければ半年と伝えました。そして、この醫師の見解として「大谷選手が投球をせずに、指名打者だけでプレーするならば、およそ6か月で復帰できるかもしれない」という言葉を紹介しました。また、この醫師は大谷選手がバッターとして練習したり、プレーしたりすることは、ピッチャーとしての復帰に向けたリハビリに影響しないとしています。その理由としては、大谷選手は右投げのピッチャーですが、バッターとしては左打ちでバッティングでは主に左腕に力がかかるため、右ひじのじん帯には大きな負擔はかからないとしています。

今季の打者出場は続く

大谷選手は今月5日、醫師から右ひじの手術を勧められる診斷を受けたあともバッターとしては出場を続けています。エンジェルスは診斷のあと、9日に予定していた大谷選手の先発登板を回避しましたが、バッターとしてプレーし続けることは可能として、指名打者での起用を続けています。診斷を受けた當日の試合でホームランを2本打つなど、9日までの1週間で打率4割7分4厘、ホームラン4本、打點10の好成績を殘し、週間MVPを受賞しました。24日には今シーズン21號のホームランを打ち、新人王候補としても註目されています。

「二刀流は貴重 早く治して復帰を」

40代の會社員の男性は、「ピッチャーとバッターの両方あっての大谷選手だと思うので、早く治して、1年と言わず半年ほどで復帰してほしい」と話していました。また、20代の大學生の男性は、「手術をきっかけにどちらかに絞ってほしい思いもありますが、二刀流は貴重な存在なので、早くけがを治してピッチャーとしても復帰してほしい」と話していました。一方、70代の女性は、「大谷選手は打つし、投げるし、かっこいいから大好きです。手術して再び投げられるようになり、長く活躍してほしいです。我慢して復帰するのを待っています」と話していました。さらに30代の女性は、「身體能力にも恵まれ、努力もあってここまで活躍できていると思うので新人王を狙ってほしい。これで終わりではないと思うのでその先を目指して頑張ってほしい」と話していました。

「奧州市の寶なので応援していきたい」出身地の反応

大谷選手の出身地、巖手県奧州市は市役所の庁舎に「がんばれ大谷選手」と書かれた橫斷幕を掲げるなどして市を挙げて応援してきました。大谷選手が手術を受けることについて市內の30代の女性は「1年投げられなくなるのは殘念ですが、しっかり治して活躍する姿を見たいです」と話していました。70代の男性は「殘念ですが、將來を考えるといいことだと思います。今後も期待しています」と話していました。奧州市協働まちづくり部の千葉一茂係長は「今シーズン最後まで新人王爭いを頑張ってほしいです。そして、けがをしっかり治し、もう一度 「二刀流」 で活躍する姿を見たいです。奧州市の寶なので応援していきたいです」と話していました。

米メディアも相次ぎ報導

アメリカの新聞もインターネット版で相次いで報導しています。アメリカの全國紙「USAトゥデー」はホームページに「エンジェルスが大谷翔平の手術を発表。2019年も打つことはできる」というタイトルを掲げました。そして「來シーズン、大谷選手はじん帯の損傷で投げることはできないが、幸運なことに投打の二刀流のスターはバットを振ることはできる」と伝えています。「ロサンゼルス・タイムズ」は、大谷選手が來週、右ひじの手術を受ける予定であるとしたうえで「來シーズンもバッターとして打線で中心的な役割を期待されている」と伝えました。ニューヨークの新聞「ニューヨーク・ポスト」は「予想されたとおり手術を受ける」というタイトルの記事を掲載しました。投打の二刀流でプレーしてきた大谷選手が、大リーグの歴史で初めて1シーズンで15本以上のホームランと50個以上の三振を奪った選手になったことや、ベーブ・ルースと大谷選手だけが1シーズンでピッチャーとして4勝を挙げ、同時にバッターでホームラン10本以上を打っていると紹介しています。

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